秘境を撮る!- ハバスパイ旅行 1日目 -
Prologue
ハバスパイについて知ったのはInstagramを通じてです。
絶景写真のページをフォローしているとたびたび上がってくるこの世のものとは思えない美しい景色。
ぜひ行きたい!と思いつつも、予約の困難さ、16kmというロングハイクに恐れをなしていました。
しかし幸運にもキャンプグラウンドの予約にも成功!それまでにホワイトサンズや、モニュメントバレーでのキャンプ経験を積んで、アウトドアにも少し自信がついてきました。
念入りに天気予報や、最近行った人の様子をSNSで確認。いざ秘境へと向かったのでした。
Episode
ストームが来ている。
そんな情報を入手した4/8月曜日。我々の出発予定日は4/9の夜。
僕たちが住んでいるサンディエゴは穏やかな陽気が続いていてあまり気にしていなかったのですが、North CaliforniaからArizonaにかけては猛烈な風に見舞われるとのこと。
ストームの後は気温も一気に下がるとの情報が出ていたので、AccuweatherというサイトでHavasupaiの気温を調べると最低気温32℉(0℃)。。
いきなり出鼻をくじかれる&不安に駆られる我々ですが、ストーム自体は4/9の深夜にはほとんど通り過ぎることを知って少し安心。0℃に耐えられる寝袋やカイロを急きょ購入して旅に向かいました。
Hualapai Hilltopまでは車で8時間半。最寄りのKingmanで前泊することもちらっと考えたのですが、何を思ったかドライブのあと直接ハイキングすることを選択。
前にも言ったかもしれませんが、僕たちは交互に運転して、運転しないときは寝るのが安定のスタイルなので、車の中で十分寝れるのではないかと考えてしまいました。
結果として何とかなったのですが、皆さんには前泊をお勧めします。
4/9の夜9時にサンディエゴを出発し、交互に運転してKingmanを目指します。Kingmanに到着したのは4/10の3時半頃。
Kingmanでガソリンを補充し、少し仮眠をとって、5時過ぎに出発。Kingmanからも2時間半の道のりです。
すると道中、まさかの雹が。車についている気温計は35Fを示しています。およそ1-2℃しかない状況です。
写真では分かりにくいかもしれませんが、リムの頂上にはまだ雪が少し積もっているような状況でした。サンディエゴはサーフィンができるような陽気だったので、かなりの驚きです。
朝8時。雹が止み、気温が少し高くなってきたタイミングでハイキング開始です。
登山とは逆で、ハバスパイへは行きが下り、帰りが上りになっています。かかる時間の予想はおよそ4時間。もくもくと歩きます。
Supai村へは荷物の輸送に馬を使うことができます。トレイルを頻繁に馬が通過していきます。
ただの通過点。17キロの荷物を担いだ苦行の途中ではあるのですが、見える景色は絶景そのもの。こんな景色はアリゾナでなければ味わえないでしょう。
村までもう少しか、というところで、Supai村の人が立っており、キャンプの予約画面を印刷したものを見せました。
村までもう少し!その情報だけが、残りの数キロを歩くエネルギーになっていました。
これがHavasu creek。普通の川とは色が違います。何とか力を振り絞ってSupai村へ。
到着。ついにやったのだ、という安堵と、腰と肩にかなりの痛みを感じます。Visitor OfficeでCheck In手続きを済ませます。
キャンプグラウンドまでは村から2 mile、およそ3 km。それまでに3つの滝があり、キャンプグラウンドのすぐ手前にHavasu Fallがあるとのこと。
これまで15km近い道のりを歩いてきたんだ。残り3 kmなんてどうってことない。
そう言い聞かせますが、時間は昼の12時。リムよりも標高もだいぶ下がり気温が上がってきたからか、次の一歩が出なくなってきます。
妻からも顔色がよくないから休もうといわれた矢先、現れました。
これは感動的です。
ついにやったんだという達成感と、ゴールにふさわしい絶景。もう2度と歩きたくないしんどい道のりでしたが、この感動を味わうためには歩くしかありません。きっとヘリコプターで行ったのでは味わえない感動だっただろうと思います。
とはいえ、15kgオーバーの荷物を担いでの写真撮影は無理があるので、まずキャンプグラウンドでテントを降ろします。
我々のテントはクリークに挟まれたところに決定。ハバスパイのキャンプグラウンドはFirstcome – First serve(早い者勝ち)となっているため、空いているよさそうなスペースに自由にテントを張ることができます。
テントも張って身軽になったところで再度Havasu Fallへ。今度はいろんなところから写真を撮ります。
レンズは広角レンズがあればいいですが、31mmで問題ありませんでした。IPhoneのカメラは28mmの画角と言われているので、その程度をカバーするレンズがあれば問題ないでしょう。
15mmのレンズでもよい写真が撮れますが、周りの人が入ってきてしまいますし、近づくにもしぶきが凄くて難しいです。
この日はまだ明るいうちに晩御飯を食べ、泥のように眠ってしまいました。
Epilogue
かなりハードな旅程にもかかわらず、前日入りしない選択をしてしまったため体力的につらい1日目となってしまいました。
何とか出来たのは僕の体力があったからではなく、4月、かつ平年より低い気温のために体力の消耗が抑えられたからだと思います。つまり運です。
なので、ぜひ体調や体力のことを最優先に考えてトライしてみてください!
きついハイキングの後のHavasu Fallは心が震えるご褒美になると思います。
ちなみにキャンプグラウンドの情報ですが、渓谷になっており木々が生い茂っているため、光が当たる時間はかなり限られます。その代わりといっては何ですが、障害物が多い分、風の影響は受けにくいように思いました。
トイレも十分な数が用意されており、水の楽園というだけあって、飲み水も簡単に確保できます。(もちろん川の水ではなく、飲み水を流してくれています)。
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