秘境を撮る!- ハバスパイ旅行 2日目 -
Prologue
1日目の振り返りです。
直前の天気予報やトレイルヘッドの悪天候に怯えながらもなんとかたどり着いた桃源郷、ハバスパイ(Havasupai)。
最も有名なHavasu Fallに心癒されたものの、睡眠不足と長時間ハイクの代償か夜7時には就寝してしまいました。
翌日は残りの滝を巡る旅に出発します。
Episode
朝6時、目覚め。
疲れ切っていたため体が硬まってしまっています。
夜の気温は確かに下がってはいましたが、それでも10度前後と思われます。恐れていたような寒さにはならず一安心。
ハバスパイは峡谷の合間にできた楽園のため、空が狭く太陽の光がなかなか差し込みませんが、近くに川が流れているからか気候としては安定しているようです。
この川がしばしば洪水を引き起こすので注意が必要です。そもそもこの川が大地を削ってこの楽園ができたことを考えると、川のエネルギーとはすさまじいですよね。
今日はキャンプグラウンドからMooney FallとBeaver Fallを目指します。
距離としては片道2マイル。たいしたことはないだろうと高をくくっていましたがこれが予想外にハードな道のりでした。
まずキャンプグラウンドをすぐ行ったところにあります、Mooney Fall。
こんな非現実的な滝がキャンプグラウンドのすぐ横にあるという衝撃。
そしてこの滝は落差が60mもあり、これからここを下るのですが、いわゆる鎖場。滝のしぶきによって地面が滑りやすくなっているうえに、鎖とはしごで降りていかなければいけません。
絶対に両手はフリーにして、注意深く下って行ってください。
まだ午前9時ころなので太陽が当たっていないのですが、カメラ的には明暗差があまりないので写真は撮りやすい環境です。
この日はまだ寒かったので泳いでいる人はいませんでした。それもカメラ的にはラッキーでしたね。
ここからBeaver Fallを目指します。Hualapai HilltopからMooneyFallまではきちんと手の入ったトレイルという感じですが、Mooney FallからBeaver Fallまではきちんと整備されていません。
もちろん人が通った後があるので迷うことはほとんどないのですが、予想外のことがありました。
川を渡る必要があるのです。しかも結構太ももくらいまではがっつり水につかります。
もし冬だったらと思うと萎えてしまいますね。4月でも結構冷たかったですから。しかも僕たちはWater Shoesを持ってきていなかったので、初めは裸足で横断していましたが、こういった場所が3, 4か所あるのでもう靴を脱いだり履いたりも面倒になり、登山靴のまま川を渡っていました。
道中とてもきれいな景色を見ながら進むことができます。
普通にフォトジェニックです。こんな景色がずっと続くので、途中から撮影しなくなっていきますが。
ハバスパイの水には豊富にカルシウムとマグネシウムが含まれているらしく、これが二酸化炭素と混じることで炭酸カルシウムとなります。炭酸カルシウムはチョークなどと同様の成分で、水に溶けているとターコイズブルーに、凝固するとこのような天然のダムが形成されるのだとか。
Beaver Fallの直前でインディアンにPermissionを見せろと言われ、どこまで行くのかと聞かれたのでBeaver Fallまで、と答えます。
少し話をしていると、このままColorado Riverまで降りていく人もいるとのこと。Colorado Riverまではさらに10マイルほど下る必要があるBackcountryになります。僕らはそこまでの体力が残っていないのでBeaver Fallを楽しむことに。
これまでの荘厳な滝とは少し違う滝が現れました。広いPoolがあり、まるで“泳ぎにおいでよ”と言っているようです。
滝壺は若干深くなっていますが、それ以外のところはふとももくらいまでの深さで気持ちいい!トレイルで体があったまっていたことや、日も高くなり日光が入っていたので気持ちよく楽しめました。
帰りはまた2マイル上り。行きとは違って迷うことなく進めば1.5時間程度で戻ってこれます。
帰り際、またMooney Fallsに出会えました。Mooney fallsにも光が差し込んで朝とはまた違った趣の滝になっていますね!
足元が水浸しだったので構わず水に入ってこの写真。
みなさんもBest angleを探してみてください。
キャンプグラウンドに戻ってきて、ハンモックで一休み。
そのあとはまたHavasu Fallに向かい写真を楽しみました。
1日目おおよそどの角度が素晴らしいかわかっていたので、そこを集中的に撮影しました。
風向きにもよるかもしれませんが、滝に向かって左側が飛沫の影響が少なくとても楽しめましたよ!
Epilogue
Beaver Fallまで行く計画を立てているなら、絶対にWater Shoesかサンダルを持って行ってください!
水の中は石もごろごろしていますし、安全のためにもはだしは控えたほうが良いと思います。
みなさん滝の写真を撮るときの設定ってどれくらいにしていますか??
僕は2-4秒にしていたのですが、今回は人はぶれないように、滝は流れるようにということでバランスをとって0.6-1秒くらいで撮影しました。
それでもきちんと滝の流れが写せていて新たな発見となりました。
3日目は残りの2つの滝と、帰りのトレイルについて書きたいと思います。
こちらも参考にしてください。
秘境を撮る!- ハバスパイ旅行 1日目 -
Prologue
ハバスパイについて知ったのはInstagramを通じてです。
絶景写真のページをフォローしているとたびたび上がってくるこの世のものとは思えない美しい景色。
ぜひ行きたい!と思いつつも、予約の困難さ、16kmというロングハイクに恐れをなしていました。
しかし幸運にもキャンプグラウンドの予約にも成功!それまでにホワイトサンズや、モニュメントバレーでのキャンプ経験を積んで、アウトドアにも少し自信がついてきました。
念入りに天気予報や、最近行った人の様子をSNSで確認。いざ秘境へと向かったのでした。
Episode
ストームが来ている。
そんな情報を入手した4/8月曜日。我々の出発予定日は4/9の夜。
僕たちが住んでいるサンディエゴは穏やかな陽気が続いていてあまり気にしていなかったのですが、North CaliforniaからArizonaにかけては猛烈な風に見舞われるとのこと。
ストームの後は気温も一気に下がるとの情報が出ていたので、AccuweatherというサイトでHavasupaiの気温を調べると最低気温32℉(0℃)。。
いきなり出鼻をくじかれる&不安に駆られる我々ですが、ストーム自体は4/9の深夜にはほとんど通り過ぎることを知って少し安心。0℃に耐えられる寝袋やカイロを急きょ購入して旅に向かいました。
Hualapai Hilltopまでは車で8時間半。最寄りのKingmanで前泊することもちらっと考えたのですが、何を思ったかドライブのあと直接ハイキングすることを選択。
前にも言ったかもしれませんが、僕たちは交互に運転して、運転しないときは寝るのが安定のスタイルなので、車の中で十分寝れるのではないかと考えてしまいました。
結果として何とかなったのですが、皆さんには前泊をお勧めします。
4/9の夜9時にサンディエゴを出発し、交互に運転してKingmanを目指します。Kingmanに到着したのは4/10の3時半頃。
Kingmanでガソリンを補充し、少し仮眠をとって、5時過ぎに出発。Kingmanからも2時間半の道のりです。
すると道中、まさかの雹が。車についている気温計は35Fを示しています。およそ1-2℃しかない状況です。
写真では分かりにくいかもしれませんが、リムの頂上にはまだ雪が少し積もっているような状況でした。サンディエゴはサーフィンができるような陽気だったので、かなりの驚きです。
朝8時。雹が止み、気温が少し高くなってきたタイミングでハイキング開始です。
登山とは逆で、ハバスパイへは行きが下り、帰りが上りになっています。かかる時間の予想はおよそ4時間。もくもくと歩きます。
Supai村へは荷物の輸送に馬を使うことができます。トレイルを頻繁に馬が通過していきます。
ただの通過点。17キロの荷物を担いだ苦行の途中ではあるのですが、見える景色は絶景そのもの。こんな景色はアリゾナでなければ味わえないでしょう。
村までもう少しか、というところで、Supai村の人が立っており、キャンプの予約画面を印刷したものを見せました。
村までもう少し!その情報だけが、残りの数キロを歩くエネルギーになっていました。
これがHavasu creek。普通の川とは色が違います。何とか力を振り絞ってSupai村へ。
到着。ついにやったのだ、という安堵と、腰と肩にかなりの痛みを感じます。Visitor OfficeでCheck In手続きを済ませます。
キャンプグラウンドまでは村から2 mile、およそ3 km。それまでに3つの滝があり、キャンプグラウンドのすぐ手前にHavasu Fallがあるとのこと。
これまで15km近い道のりを歩いてきたんだ。残り3 kmなんてどうってことない。
そう言い聞かせますが、時間は昼の12時。リムよりも標高もだいぶ下がり気温が上がってきたからか、次の一歩が出なくなってきます。
妻からも顔色がよくないから休もうといわれた矢先、現れました。
これは感動的です。
ついにやったんだという達成感と、ゴールにふさわしい絶景。もう2度と歩きたくないしんどい道のりでしたが、この感動を味わうためには歩くしかありません。きっとヘリコプターで行ったのでは味わえない感動だっただろうと思います。
とはいえ、15kgオーバーの荷物を担いでの写真撮影は無理があるので、まずキャンプグラウンドでテントを降ろします。
我々のテントはクリークに挟まれたところに決定。ハバスパイのキャンプグラウンドはFirstcome – First serve(早い者勝ち)となっているため、空いているよさそうなスペースに自由にテントを張ることができます。
テントも張って身軽になったところで再度Havasu Fallへ。今度はいろんなところから写真を撮ります。
レンズは広角レンズがあればいいですが、31mmで問題ありませんでした。IPhoneのカメラは28mmの画角と言われているので、その程度をカバーするレンズがあれば問題ないでしょう。
15mmのレンズでもよい写真が撮れますが、周りの人が入ってきてしまいますし、近づくにもしぶきが凄くて難しいです。
この日はまだ明るいうちに晩御飯を食べ、泥のように眠ってしまいました。
Epilogue
かなりハードな旅程にもかかわらず、前日入りしない選択をしてしまったため体力的につらい1日目となってしまいました。
何とか出来たのは僕の体力があったからではなく、4月、かつ平年より低い気温のために体力の消耗が抑えられたからだと思います。つまり運です。
なので、ぜひ体調や体力のことを最優先に考えてトライしてみてください!
きついハイキングの後のHavasu Fallは心が震えるご褒美になると思います。
ちなみにキャンプグラウンドの情報ですが、渓谷になっており木々が生い茂っているため、光が当たる時間はかなり限られます。その代わりといっては何ですが、障害物が多い分、風の影響は受けにくいように思いました。
トイレも十分な数が用意されており、水の楽園というだけあって、飲み水も簡単に確保できます。(もちろん川の水ではなく、飲み水を流してくれています)。
こちらも合わせてどうぞ。
秘境を撮る!- ハバスパイ旅行 準備編 -
Prologue
陸の孤島。これを地で行く土地がアメリカにまだ残されています。
それこそが今回の旅の目的地、ハバスパイ(Havasupai)。
今回の記事では2019年4月にハバスパイに行ってきましたので、まずはその準備について書きたいと思います。
ハバスパイは準備編、1日目、2日目、3日目、反省編の5つに分けて書こうかなと思っています。
Episode
基本情報
見どころ
ハバスパイの見どころは何と言っても冒頭の美しい滝 –Havasu Falls。この滝だけでなく全部で5つの滝があること、独特の美しい青と緑をたたえる川、グランドキャニオンの赤土、といったここでしか見られない景観が楽しめます。
Havasupaiはインディアンの言葉です。Haは水、Vasuは青と緑、Paiは人々を意味しています。
場所
ハバスパイの位置はここ。
グランドキャニオンのはずれにある、インディアン居住区です。
といっても観光客が集うグランドキャニオンのサウスリムからは車で300km以上離れています。
最寄りの町はKingmanもしくはSeligman。そこから2時間以上のドライブでHualapai Hilltopというトレイルのスタート地点にたどり着けます。
そう、ここはスタート地点。この場所から10 mile(16km)離れたところにあるSupai村のCampgroundにこの美しい滝が待っているのです!
行き方
行き方は主に2種類。Hilltopからヘリを使うか、歩くか。今回僕たちは歩いたので、ヘリを使いたい方はこちらのサイトの内容を確認してください。
https://waterfallsofthegrandcanyon.com/havasu-falls/havasupai-helicopters/
宿泊
宿泊方法としてはSupai村にあるロッジに泊まる、もしくはキャンプ。僕たちはキャンプ用具全部担いで歩いて向かいました。
ロッジに泊まりたい方はこちらのサイトをご確認ください。
http://www.theofficialhavasupaitribe.com/Havasupai-Lodge/havasupai-lodge.html
*2020年のロッジの予約が、2019年6月1日に始まるようです!
キャンプの仕方(2019年版)はこのブログで書いていきます。
予約
予約はこちらのサイトからできます、が、2019年の予約はすべて終了しているのではないかと思います。
https://www.havasupaireservations.com/
2019年のキャンプの予約は2/1のアリゾナ時間8:00 amに一斉受付が始まり、こちらのサイトから予約しました。
しかしながらアクセスが集中して全く先に進めず。僕はブラウザを3つ立ち上げて(Safari, Chrome, Firefox)、運よくFirefoxが予約画面まで進んでくれました。
ハバスパイはSNSの影響からか、ここ最近注目されてきており、かつ宿泊のキャパシティが限られていることからかなり厳密にコントロールされています。
お値段
2019年のキャンプは、平日が$100 / night, 休日が$125 / night。かつ3泊4日限定です。普通のキャンプと考えるとかなり高いですよね。
それでもサーバーが追い付かないレベルでのアクセスが集中するのですから、近年どれだけ注目を集めているかが予想できるというものです。
天気
こちらに、月別の気温分布を記載します。(米国のサイトから引用しているので℃ではなく°F表記となっています)
参考:https://www.shedreamsofalpine.com/blog/your-complete-guide-to-hiking-havasu-falls-trail
我々は4月半ばに行きましたので、予想としては夜は5 - 10℃、昼は20-25度くらいと考えられます。
実際それくらいだったかなーと思います。川で泳ぐには肌寒いですが、泳いでいる人は普通にいました。
装備
これが一番の問題です。なぜなら我々は歩いて16km を往復、そして荷物を担ぐという選択をしたからです。
最低気温の予想は5℃とすると、妻と僕の寝袋、睡眠用のマットレス、断熱シート、さらに防寒具が必須と思われました。
テントは友人から3人用の小型テントをレンタル。
服装としては、厚手のパーカー、トレッキングウェア上下、ヒートテック上下、タオル、水着。
そして忘れてはならないカメラと三脚。今回は単焦点2つ(Irix 15mmとFA 31mm)のみ持っていくことにしました。
その他には料理用の小型バーナー、ガス、調理器具、小型ランタン、ライト、カイロ、そして大量のフリーズドライ食品。
僕は70Lのバックパック、妻は60Lのバックパックにこれらを折半して持っていくことにしました。
体重計に乗ってみたのですが、僕の荷物は17kgほどに。ネットで調べてみると15kgまでに収める人が多いようなので、それを目安にしました。
反省編で、これらに加えて持って行ったほうが良かったものなどまとめますので、そちらを最終版と考えてください。
今回の記事はあくまで僕たちが持って行ったもの、に関して記載しています。
参考文献
参考になる情報はネット上にたくさん落ちています。最近行った人のブログやYoutubeもとても参考になります。
しかしハバスパイ近辺は確実にネットがつながりませんので、書籍としてハバスパイについて書かれているものを持っておくことは、現地での情報収集に役立つかと思います。
僕はこの書籍のKindle版を購入しました。とても参考になりましたよ。
https://www.amazon.com/dp/B07118CN85/ref=nav_timeline_asin?_encoding=UTF8&psc=1
Epilogue
今回の準備編では、ハバスパイへの予備知識と準備について主に書いたので写真が少なくなってしまっています。ごめんなさい。
次からできるだけ写真を盛り込んでいきます!これからこの秘境に旅立つ人たちの参考になりますよう、祈っています。
オーロラを撮る!- イエローナイフ旅行2日目 -
Prologue
1日目の振り返りです。
ほぼ丸一日かかったフライトのあと、鮮やかなオーロラに恵まれました!
オーロラ撮影の設定も頭に入れつつ、1日目は朝4時にご就寝。心地よい満足度の中、泥のように眠ったのでした。
Episode
朝10時半、起床。
旅に来て、こんなに朝を気にしなくてよい日があったでしょうか?ホントは朝日もきれいなんでしょうが、今回の旅の目的はオーロラですからね。オーロラのために体力を温存しておくことも大事なミッションです。
今日はまず、イエローナイフで評判のカフェに朝昼兼用のご飯を食べに行きました。
英語だとBrunchといいます。BreakfastとLunchを重ねた用語だと思いますが、日本でも王様のブランチという番組がありましたよね。意味を知ったときにあーあれかー!と思いました。
イエローナイフは小さな町なのですが、The Fat Fox というカフェが一番と評判らしいです。確かに結構たくさんの人でにぎわっていました。(注:2019年現在、閉店しているようです)
いい雰囲気ですよね。コーヒーもとてもおいしくいただきました。僕は風景写真以外ほとんど撮らないので、こういうところにカメラを持ち込まないですし、撮り忘れてしまうんですが今回はアップします。
午後からは犬ぞり体験です。これも大塚さん経由で予約していただきました。担当者はカナダローカルの方なので、英語が少し使えたほうが良いと思います。
夫婦そろって犬が好き。
なので犬に引っ張ってもらうってなんか悪いなと思いつつ、楽しかったです。おすすめ。正直たいしたことないだろうと思ってましたが楽しかったし、貴重な体験でした。
そんなこんなでまたオーロラの時間がやってきます。
今日は昨日とは違うスポットに少しずつ場所を変えながらオーロラを鑑賞します。おそらく雲の動きやオーロラの出る角度から大塚さんが独自に判断しているんだろうなと思いますが、さすがの感覚ですよね。
この日は少し雲が多かったことと、オーロラにも昨日ほどのパワーがありませんでしたが、昨日よりも大きく広がるようなオーロラになりました。
様々な表情があっていいですよね。昨日よりも写真撮影に手慣れてきた僕たちは、自分たちが入って写真を撮ってみました。
ライトで少し照らしています。露光時間は4秒に対し、ライトで照らしているのは0.5秒ほど。
時間が経つにつれてだんたんと雲が広がってきてしまったのでこの日のオーロラ観賞はこれでおしまい。こんな日もあります。こんな日とか言ってますがめちゃくちゃオーロラ見れてますけどね。
Epilogue
オーロラと人を同時に撮るにはコツがいります。
人を撮ってあげるなら、自分がライトを操作できるので問題ないですが、自分が入りたいときは人にお願いしないといけません。ライトは強力なものより少し分散するようなもの(安いライト)が望ましいです。
オーロラ撮影で最も難しいのはセオリーがないことだと思いました。星撮影のように超広角で30秒、F2.8、ISO3200というように決め打ちするのではなく、その日のオーロラの強さ、動きの速さに応じて設定を変更してください。
とはいえ、基準になるのはF2.8 – 3.5、4 – 8秒、ISO1600-3200くらいになると思います。この範囲内でベストな設定を模索してみてください。
そして犬はかわいい。
オーロラを撮る! - イエローナイフ旅行1日目 -
Prologue
オーロラ。
見たくなってしまったんです。
オーロラは米国圏ではNorthern Lightsという名前の方が有名です。カナダやアラスカなどの極地にほど近い場所で見ることができます。
カリフォルニアからだとめちゃくちゃ遠くて、正直日本から行っても距離的にそんな変わらないんじゃないかとすら思えますが、2018年3月に行ってきました。
アメリカ人のカメラ好きにとってもオーロラは憧れの対象のようですが、日本人ほどの人気はないらしいです。なんでも打率が悪すぎるからとか(せっかく行っても見れないことがあるところにお金をねん出したくない)。気持ちはわかります。
でも僕は晴れ男+ラッキーピープルを自負しているので、そんなものは怖くありません。なんとかなる。
イエローナイフ(Yellowknife)はカナダの中でも北寄りに位置しています。
なぜ3月に行ったかというと、気温と夜の長さとの関係からです。
イエローナイフは冬の平均最低気温は-30C近くになります。ずっと外にいるのも厳しい環境ですし、カメラが耐えきれるか自信がありませんでした。
(名誉のために言っておきますが、PENTAX K-1は耐寒にも優れており-10℃程度は余裕です。)
また、北極に近いため夏場は夜が極端に短くなります。夏至の時期には夜が4時間程度しかないなんてことも。そうすると必然的にオーロラを見れるチャンスは限られてしまいます。
初めてのオーロラチャレンジ。寒すぎるのもしんどい。でも見れないのはもっとしんどいということで、僕たちは雪解け前、3月、4月に日程を絞り、色々なバランスを考えて3月中旬に3泊4日で行くことにしました。
Episode
すでに記事を10以上書いてきましたが、日記にする中ではこれが初めてのフライト旅行です。
いろいろと事前に準備する必要があったので、今回の日記では事前準備について少し書かせてください。
僕たちはネットでいろいろと調べた結果、こちらのナヌックというツアー会社さんに申し込むことにしました。
ティーピーというテントでくつろげるオーロラビレッジさんがよく検索でヒットしてくるのですが、僕はちょっとユニークなものが好きという性格もありますし、オーロラを見るために車で移動しその日その日のベストなスポットに連れて行ってもらえるというスタイルにもとても魅かれました。
そして一番の決め手は、オーナーの大塚さんは非常にカメラに詳しく、上記のHPのギャラリーにある写真も素晴らしかったのでオーロラを撮るならこのツアーでしょ!ということで、こちらにお世話になることにしました。
ちなみに大塚さんはツアー参加者とオーロラの写真も撮ってくれるので、自分は写真撮影したいけど、オーロラと一緒に写真に収まりたい!という人にもおすすめのツアーです。
価格は夫婦で1260カナダドル+Tax。この中に空港送迎と3日間のオーロラツアーに宿泊代込。
それにフライト代として2人往復で1400 USDほどかかりました。大人ですね。大人のための旅行です。
さて、当日はサンディエゴ空港からサンフランシスコ空港で乗り換え、カルガリー空港で乗り換え、イエローナイフ、という旅路です。
乗り換えって嫌いなんですよね。好きな人いないと思いますけど。一回下りたりしなきゃいけない面倒くささよりも、一つでも遅れるとそのあとの飛行機に乗れないんじゃないかという不安感がいつも気を重くさせます。荷物が紛失するんじゃないかという不安がその次にきますね。
今回もサンフランシスコ空港で飛行機の遅延が発生。1時間だったはずの乗り継ぎ時間が3時間に。カルガリー空港で余裕のあるスケジュールだったためまだ何とかなりそうではありますが、それでもなんとなく落ち着きません。ただでさえカツカツのスケジュールなのですから。
適宜、大塚さんにも連絡をしつつ、なんとか滑り込みでイエローナイフ行きのフライトに乗れました。
到着してこぢんまりとしたロビーで荷物が出てくるのを待ちます。
第一印象はとにかく日本人が多い!観光客としても多いですし、ツアーを催行している日本人も多いですね。
アメリカの観光地では中国系やインド系の多さが目立っていましたが、こんなに日本人が多い観光地は初めて驚きでした。日本から来られる方も特にストレスなく過ごせるのではないかなと思います。
飛行機が到着したのは夜8時頃だったのですが、3月中旬はまだ明るかったです。でも9時には日が沈んで、10時からツアーが始まります。
ホテルに着く前に大塚さんが渡してくれた防寒具に身を包んでいると、車でホテルまで迎えに来てくれます。至れり尽くせり。
車で走っていると、もうオーロラが出ていますよ!との一言が。
うーんどれだー?と思っていると、遠くにある雲のようなものがオーロラらしい。パッと見は白いのですが、確かに少し光っているようにも見えます。
今日の撮影スポット(凍った湖の上)に到着して、すぐにオーロラと思われる方角にカメラを向けて撮影を開始します。
ほんとにオーロラだ!写真に撮ると緑が強く出ますね。大塚さんいわく、ホワイトバランスは太陽光にしないほうがいいよと言っていました。黄色が強く出すぎるとのこと。
ただ僕は最終的にLightroomで色温度を変えるのであまり気にしていませんでしたが、現像であまり変化をつけないという人は意識してもいいかもしれません。
まだまだBreak upという状態ではなく安定しているので露光時間は長くてもOKです。そのうちオーロラが動いてきます。
オーロラの線が細くなると、強い緑だった部分が紫になったり青っぽくなったり。変化していきます。肉眼ではあまり見えないという人もいるかと思いますが、この日は空がクリアだったこともあって色の変化もわかりました。写真のほうが変化は明らかですが。
初日からこんなにオーロラが見えていいんですか??
いいんです!!
長時間フライトなんてなんのその。夢中で写真を撮りまくります。最初はカメラの設定が安定していなかったのですが、慣れてくると楽しくて仕方がありません。
この日は本当に当たり日で、次から次へとオーロラがやってきます!説明不要のオーロラの写真を連投します。
気づけばもう3時。4時間もオーロラ鑑賞に明け暮れていました。
防寒具があれば個人的にはそれほど寒さを感じない気温でした。長旅で疲れている方々は車で休憩している人もいましたが、カメラを持っている人はほとんど外に出ていたと思います。
いずれにしても大満足の1日目がこのように過ぎていったのでした。
Epilogue
初日からオーロラが見れてしまいました!動いていないときのオーロラは発光する雲って感じですが、Break upの動きは本当に神秘的でした。
カメラの設定ですが、星撮影ほど長くしなくていいのではないかと思います。
8秒露光を基本に、短くしたりするというスタンスでいいのではないかと。20秒も露光してしまうと、オーロラの動きについていけなくなります。
レンズは広角であればあるほどいいです。今回の写真は全て15mmで撮影しました。
翌日は犬ぞり体験をしたり、近くのカフェでランチをしたりしたので、たまにはそういう普通の雰囲気の写真をアップしつつ、オーロラ2日目の写真をアップしていきたいと思います。
化石の森を撮る!- セドナ旅行 3日目 -
Prologue
2日目の振り返りです。
“私のセドナ”を見つけるべく、早朝のカセドラルロックからスタート。大満足の日の出
、Hidden Spotから見たカセドラルロック。隠れ家を見つけた高揚感。Tetsu一行はすでにかなり満たされていました。
貴重な休みをセドナでのんびりしてもいいが、どこか足を延ばせる良いスポットはないか?
Google map片手に調べていると、ありました。
全く知らない国立公園が。
その名は化石の森国立公園。
ほう、化石の森?なんという中二的な響きじゃないか?小さいころは化石にあこがれてたんだよ。きっと恐竜の化石かなんかが森のように生い茂っているんだろう?
まったく何が何だかわからない、がきっといいに違いない!ここに行ってカリフォルニアに帰る、それが3日目のミッションとなったのでした。
Episode
化石の森国立公園。
みなさんはいったい何を想像するでしょうか?
答えは英語にすると簡単にわかります。というか日本語訳に問題があるように感じるのですが。。
化石の森国立公園は英語でPetrified Forest National Park。Petrifyは石化。ハリーポッターの魔法でも出てきますよね?なので直訳すると“石化した森国立公園”が正しいと思うのです。響きは化石の森のほうがかっこいいですが。
化石の森国立公園には、珪化木(けいかぼく)と呼ばれる鉱物となった木がゴロゴロと転がっていることから名付けられ、また国立公園に認定されました。なぜ木が鉱物になったかというと、倒木の上に土砂が蓄積し、膨大な年月をかけて地層からの圧力をかけられると、もともと木の構成要素であった炭素、酸素、水素に、地下水に含まれる二酸化ケイ素が流入し、次第に置き換わっていきます。二酸化ケイ素は析出すると石英、透明度の高いものは水晶と呼ばれます。つまり希少価値が高いんですね。
そんなものがゴロゴロ転がっている化石の森国立公園、盗難とかあったりしないの?と思いますよね?実際に年間12トン前後もの珪化木が盗まれているようです。実際に目の当たりにするととても美しく、魔がさす気持ちもわからないではないですが、この遺跡の魅力が失われてしまうのはとても悲しいですね。
と、この公園の説明をさらっとしたところで、化石の森国立公園の魅力は珪化木だけではないんです。化石の森国立公園は敷地こそほかの国立公園に比べて狭いものの、前半はペインテッドデザート(Painted Desert)というカラフルな地層が鮮やかなエリアとなっており、後半に珪化木が転がるPetrified Forestが広がっています。
いきなりこれですよ。
化石の森国立公園とかいいながら、化石じゃないところでやられました。すごいです。いい景色。この景色はまだインスタとかでもあまり知られていないのではないかなと思います。
どこから撮っても絵になります。
ブルーメサと言われる青い地層もあります。トレイルも整備されていて下に降りていけるのですがおすすめです。地球とは思えない景色がそこにはあります。
そしてお待ちかねの化石の森。
ホントに水晶のようになっていますね!めちゃくちゃ硬くて、そして光っています。こんなレア鉱物がその辺に触れるようにゴロゴロしているなんて。。
無防備。
こりゃあ悪い人取っていきますわ。僕は撮るだけにしておきます。
なんていうんですかね。どうしてこの国立公園が有名じゃないのかなって思います。有名じゃないほうが盗難被害も少ないし、いいこと多いのかもしれないですけど。
僕はこの国立公園には、今までの生活から想像できないものがたくさん詰まっているような気がしました。珪化木自体は日本にもあるみたいですが、存在すら知りませんでしたし、たくさん勉強になりました。
スケールはグランドキャニオンなどの国立公園が圧倒していると思いますが、自然界の神秘に触れたい方はぜひお越しください。
Epilogue
化石の森国立公園について、ご紹介しました。いかがでしたか?
日本のサイトではまだまだ無名、かつアメリカ人の中でも知名度の低い国立公園です。ですが、だからこその良さもあるなと思いましたし、行く価値はあります。セドナやグランドキャニオンのようなメジャーな観光地からは離れているので少し足を延ばしにくいと思いますが、ぜひこの景色を見てみてください。
セドナ編はこれにて終了となります。お読みいただきありがとうございました。
カセドラルロックを撮る!- セドナ旅行2日目 -
Prologue
1日目の振り返りです。
カリフォルニアを早朝に出発し、お昼過ぎにセドナに到着。
セドナ独特の赤土の岩に圧倒されながら、すでにデビルズブリッジとベルロックという2つのスポットを写真に収め順調なスタート。
2日目の目標はその独特な形で有名なカセドラルロックを撮ること。まずはカセドラルロックから朝日を見るために、またも早朝から出発したのでした。
Episode
朝4時半、起床。
毎度のことですが、旅行中となるとどんなに疲れていてもぱっと目が覚めます。仕事に行く前はあんなに布団から出たくない自分が信じられません。枕があってないのかな?
カセドラルロックはセドナの中心にほど近いところにあり、トレイルの入り口まで車で行けます。
月も出ていない暗闇の中、装備を確認していざ出発。早速分岐があって迷子になりかけます。
“どっちだろー?”と話していると、慣れた感じで登っていくアメリカ人を見つけたので、きっとそっちだと思いついていくことに。明るいうちに下見くらいしておくべきでした。。
カセドラルロックに登るとは言っても、ホントに頂上までは切り立っていていけないので、トレッキングで行けるぎりぎりまで進みます。ルート上には石が積んであり、自分の登っている方角が間違ってないことを確認できます。
距離はそれほどありませんが、結構急な斜面を登ることになります。暗闇なので足元しか照らせず不安な中進みました。
ここが徒歩で行ける終着点です。この頃には結構周りも明るくなってきていますね。
この界隈から太陽の出てくる方角を見極めて朝日を拝みます。
出てきました!セドナは周りに背の高い岩がたくさんあるので、日の出の頃には太陽にかなりパワーがあります。
朝からのトレイルも気持ちよく大満足。ホテルに戻って朝食を取り、その後の計画を考えます。
少しは街の散策をしようかということになり、市街地へ。その後、夕焼けの時間帯は夕日に燃えるカセドラルロックを撮ろうということになりました。今度はカセドラルロックからではなく、カセドラルロックを撮るんです。
ここでセドナの地域の説明を。
右上のUptown Sedonaあたりが市街地になっており、たくさんの商店やレストランが集っています。ここからの風景はまさにディズニーランド。たくさんの人、おしゃれなショップ、赤土の岩。ビッグサンダーマウンテンはセドナがモチーフのようですね。
この地図の真ん中、ちょっと下にカセドラルロック (Cathedral Rock)があり、今回の目的地は Oak Creekを挟んだ反対側です。
川に反射するカセドラルロックを撮ろうという魂胆です。もし上手くいかなくても川辺の散策はきっと爽快です。
お昼を食べて満足した後、クレセントムーンパークに向かいます。
ここの駐車場(確か10ドルかかります)に車を止め、川辺に向かうと、ありました。
そしています、たくさんのカメラマンが反射するカセドラルロックを狙っています。
とてもいいスポットですが、川に流れがあるのと、木が生い茂っているのでもうちょっと角度を変えて撮りたいところです。
しばらく写真を撮って楽しんでいると、あるカップルに話しかけられました。
...もっといいスポットがあるんだよ)
なんと!?
つたない僕の英語力でもわかります。話は変わりますがアメリカ人はホントにきさくですよね。どこから来たの?とか、どれくらいセドナにいるの?とか話がどんどん繋がります。
彼らが言うには、Google mapには載っていないトレイルがあり、そこを進んでいくと数日前の雨による水たまりが出来ていて、カセドラルロックがよりきれいに反射しているんだ、とのこと。
これもなにかの縁!行くしかない!と即決して、いそいそとHidden Spotへ移動します。今回はその場所を教えてしまいます。
クレセントムーンランチの駐車場から出てすぐ右に徒歩で登っていくと、右にトレイルがあります。Google mapには載っていません。が航空写真を見ると確かに人が通った跡がわかります。
このトレイルを一目散に上っていくと、岩場があり、カセドラルロックが眼前に広がります。30分もかからないので、軽装備で問題ありません。
圧倒的な景色です。
運が良ければ岩場に水が溜まっており、反射するカセドラルロックを写真に収めることができるというわけ。
粘りました。それほど人はいないのですが、いい水たまりの数がそもそも少ないのでかなりの競争率です。
周りの人とコミュニケーションを取りながら、“Instagramやってる?フォローするよ!”とか言って仲良くなりました。彼らに今晩星を撮るか聞いたところ、セドナはフェニックスという町が近くにあるので、本当に条件が良くないときれいな星空は撮れないだろうとのこと。
話は脱線しましたが、そんなこんなで取れた夕焼けの写真がこれです。
正直もう少し焼けるかなーと思いましたが、美しいカセドラルロックを秘密のスポットで撮影できたので大満足です。
今日はこれにて終了。本日も撮れ高のよい一日となりました。
すでにセドナ大満足のTetsu一行。残すはあと一日。どのように過ごすかもう少しおつきあいください。
Epilogue
カセドラルロック、いかがでしたか?
角度によって見え方の変わる本当に魅力的な岩だと思います。登ってもよし、周りを散策してもよし。結果的に、“私のセドナ”はカセドラルロックとなりました。
今回の旅行ではほとんど望遠レンズを使っていません。フルサイズ換算で15mm ないしは24mmのレンズがあれば満足できる写真が撮れると思います。
また三脚は必須だと思いますし、水たまりぎりぎりにレンズを近づけるために、三脚も大きく開くタイプの三脚が望ましいです。
リゾートの近くにある大自然。一石二鳥を楽しめる観光スポットは日本人が好きそうですよね。
日本からの観光客が多いこともうなずけました。カメラマンにもとてもおすすめのセドナ、ぜひ楽しんでくださいね。
パワースポットを撮る!- セドナ旅行1日目 -
Prologue
セドナ(Sedona)に2018年2月に行ってきました。みなさんセドナって知ってます?英語だとスィドーナと言わないと通じないですよ。日本人には安室さんが某芸人とのお忍びデートで言ったことで有名かもしれませんね。
セドナはアリゾナの中央付近にあり、高級リゾートかつパワースポットとして有名です。なんでもボルテックス(Vortex)という地球からのスピリチュアルでファンタジーなサムシングが噴出することで有名なんだとか。
高級リゾートとスピリチュアル。写真的観点から撮り高低そう...と思っていました。僕は神社やお寺は好きですが、あまりスピリチュアルなものを感じ取れないので正直興味ありませんでした。
しかし軽い気持ちで調べてみると、なかなか壮大な写真がたくさんインターネット上でアップされています。これはリフレッシュも兼ねてちょうどよい観光スポットかもしれないなということで、2泊3日で向かったのでした。
Episode
今回の旅も、南カリフォルニア、サンディエゴからのドライブ。一気にセドナを目指します。
およそ7時間のドライブ。結構長いですが、アメリカにいると3-5時間のドライブはまぁ行けるっしょ、7-8時間のドライブはちょっと遠いかな、10時間超えるとしんどいねーみたいな感覚になってきます。つまり狂ってきます。もはや狂気。
ほとんどの高速道路が無料というのも大きいですね。あまり距離を感じないんです。市街地を離れると速度制限75マイル(120km)とかも普通に出てきますし、渋滞もなくなります。朝5時に出発してガソリン休憩や妻と運転交代をはさみながら進みます。
途中、メキシコ国境と非常に近いエリアがあり、検問があります。僕らはカリフォルニアの免許証がありますが駐在員もこの道を通るときはパスポートを持っておいたほうがいいです。無くて面倒なことになった話も聞くので。
セドナはココニーノ(Coconino)国立森林公園の中にあり、赤土の岩と緑の濃い森林が程よいバランスで存在するリゾート地です。ボルテックスと呼ばれるパワースポットは4つあり、ベルロック(Bell Rock)、カセドラルロック(Cathedral Rock)、エアポートメサ(Airport Mesa)、ボイントンキャニオン(Boynton Canyon)と呼ばれています。
行きやすさではエアポートメサ>ベルロック>カセドラルロック>ボイントンキャニオンの順でしょうか。エアポートメサはもはや車で行けます。ベルロックは道路の横にありますが、麓に行くには10分ほど歩きます。カセドラルロックはでかいので見るだけならどこでも見れますが、良いスポットに行くには散策が必要です。ボイントンキャニオンは最も市街地から離れていて、1時間ほどのトレイルに入る必要があります。
ところで、“私のセドナ”という言葉が、セドナ通の方の間では有名らしいです。セドナにはいろいろな見どころがあり、人それぞれ推しスポットが違うので、私のセドナはここ!という形で紹介しあうらしいのです。
僕らはパワースポットというよりは写真の撮れ高も加味して考えていたので印象的な形をしているベルロックとカセドラルロックに行くことにしました。
またVisitor Centerでおすすめされたデビルズブリッジ(Devil’s Bridge)にも行ってみることにしました。1日目は時間の関係でデビルズブリッジとベルロックへ。
デビルズブリッジに行くには往復2時間程度のトレイルに入る必要がありますが、写真が結構すごかったので見に行ってみることに。
注意点は、デビルズブリッジトレイルヘッド (Devil’s Bridge Trailhead) には車が停められません(少なくとも僕らが行った時には)。おそらくVultee Arch Roadは専用車両のみの道だと思われます。
なので僕達はLong Canyon Road沿いにある、Mescal Trailheadに車を停めて、歩きました。
トレイルはそれほど起伏のない平坦なトレイルで、最後に少しだけ傾斜があります。難易度は低いのでご安心を。
赤土がいかにもセドナ!って感じです。この道を看板にしたがって進んでいくと...
これです。
こういうのを見たかったのです。
こういうアーチがアリゾナ州、ユタ州にはごろごろしているのですが、アーチの上を渡れる(ブリッジになっている)ところはあまりないです。
高さはそれなりにあるのでちょっと恐怖感がありますが、思ったよりは幅も広く安定しているのでみんなブリッジの上でポーズをとっていました。
僕たちは昼食後、確か15時くらいに行ったのですが、すでに影に入ってしまっています。南から南西にかけて、かなりでかいメサがあるため、太陽に照らされるのは午前中と予想されます。
もしくは太陽が高く上がる夏の時期。ですが、夏場はかなり暑くなるので、夏場に行かれる方は水と帽子が必須ですよ!
一通り写真を撮り終えると時間もないので早々に戻りベルロックに向かいます。
ベルロックはその名の通り鈴(ベル)のような形をした巨大な岩で、登れます。登れますが、かなり滑るのと明らかにクライミングの技術がないと登れないところも出てくるので、カメラを担いでいた僕たちは途中であきらめ、夕焼けを楽しむことにしました。
赤土が夕焼けによりさらに燃えるように光っています。初日からとてもいいものが見れました。
今晩はベルロック近くにあるホテルに宿泊。
翌日はカセドラルロックから見る朝日がとても良いと聞いたので、日が出る前からカセドラルロックへのトレッキングが確定しました。
Epilogue
セドナは高級リゾート地と思われていて、それはそうなのですが、高級リゾートの周辺に数えきれないくらいのトレイルが隠れています。おしゃれな服だけでなく、動きやすい服や、トレッキングシューズを忘れずにお持ちください。
僕はベルロックからスピリチュアルな力を感じませんでしたが、圧倒されることは確かです。パワースポットではヨガをしたり瞑想している人も多くいるので、興味のある方はセドナの地で地球の力を感じてみてください。
モニュメントバレーを撮る! -後編-
Prologue
あまりにMonument Valleyが気に入ってしまった僕たちは、2018年7月に再び訪れてしまいました。前回はグランドサークルの触りしか回れなかったので、今回はザイオン、ブライスキャニオン、キャピタルリーフ、アーチーズ、キャニオンランズと各国立公園を回ってからのとどめのモニュメントバレーです。(モニュメントバレー以外も少しずつ記事にしていきますね)
過去記事はこちら。
そして今回はThe View Hotelが管理しているキャンプ場です。$30にも満たない金額で最高の景色を堪能できるとあって、ネットで見つけてソッコーで予約しました。
Episode
...わくわくが止まらない。
またあの景色に会える。
しかも今回は寒くない!(前回は指先がちぎれそうなほど寒かった)
あの絶景の前でキャンプができる!
1年もアメリカに住んでいるとすっかりアウトドアが恋しくなるようになりました。今回の旅ではモニュメントバレーの前に5つもの国立公園を巡って絶景を堪能してきましたが、やはりあの景色に会えるんだと思うと興奮してきます。なにもない道をまっすぐ進んでまたあの景色を目の当たりにしました。
Monument Valleyは標高が1800mほどあるものの砂漠気候で日中の気温は40度近くあったかと思います。大粒の汗を垂らしながらテントを設営し、カメラをセット。タイムインターバルで撮影し、その間のんびりと休みます。
ただしかし今日は残念ながら雲が多く、きれいな写真は撮れないかーとかのんきなことをいいながら景色を堪能していました。ちなみにこのCamp場にはシャワーとトイレが完備されており、しかもぎりぎりWiFiが入るという神環境です。
最高の景色ですね。
やはり雲が多かったかー。あまり焼けてないですね。
ん、なんか様子がおかしいな?
・・・ほとばしる雷鳴。
急に突風と大雨がCamp場を襲撃し、濡れたら困るものだけ持って車に逃げ込みます。(このとき結構テンパっていて写真は全く残ってません)テントは放置。
最悪飛んでったら仕方ないと思っていました。
...
1時間ほど経ったあとでしょうか。風はまだ強いものの雨脚が弱まったところで、テントの様子を見に行きます。テントが壊れたりはしていませんでしたが、中は雨で水浸し、風で砂まみれになっており、今日のキャンプはもう出来ないかと諦めかけていたところで、隣のテントのカップルが話しかけてきます。
...May I help you?
なんという優しさ!
本人たちもあの雷雨の直撃を食らったはずなのに!あとで聞いたらノルウェーから来たとのこと。彼らの情報によるともう嵐は過ぎ去って静かな夜になると思うよ、もし困ったことがあったらみんな同じ境遇だし遠慮なく声をかけてね、と言っていました。
ここで少し勇気をもらった僕たちは使い物にならなそうな水浸しのマットレスは外に出し、テントに寝袋を直にひいて少し寝ることにしました。
この日は1時過ぎから月が出てきてしまいました。が、夜空には星も出ており月と星とミトンビュートという幻想的な景色に出会えました。
そして逆側(テント側)にはこれでもかという天の川が
テントが壊れかけなのは、本当に壊れかけなのです。
夏とはいえ砂漠気候。夜間は気温が下がります。嵐の直撃を受けて疲労困憊だった僕らはまた少し眠り、朝焼けの時間に再度起きることにしました。
テントから外を見るとこの景色です。これを感動というのでしょうか。硬い寝床に浅い睡眠で体は疲れ果てていたはずなのに、心が震えました。
Monument Valleyでの2度目の朝日です。2017年の冬、1回目あれだけ感動したので、2回目はそうでもないかもね、と妻と二人で言っていたのですがそんなことはありません。苦労した影響もあるのでしょうか、味わい深い朝日でした。周りの人たちも起きて静かにこの景色を堪能していました。
Epilogue
何度見てもいい景色。これに尽きます。
自然の厳しさを味わうと人は優しくなるんだなぁとも思いました。
キャンプはこれがあるからやめられないですね。自然と一体になるような感じがします。
キャンプ場の予約はここからできます。
http://monumentvalleyview.com/campground/
僕らはテントを張りましたが、RV(キャンピングカー)に宿泊している人も結構いました。でも一番いいサイトはテントサイトですね。RVサイトからだとモニュメントバレーまで少し距離があります。
ぜひみなさんにこの景色を楽しんでもらえたらと思います。どこから撮ってもフォトジェニックですよ!
モニュメントバレーを撮る! -前編-
Prologue
迷っていました。
どのようにまとめるべきか。
この絶景を。
2017年5月にサンディエゴに赴任となってから、色々なところに行きました。その中でダントツに印象に残っているのが、このモニュメントバレー (Monument Valley)です。
“行ってよかったとこ、どこ?”と聞かれたらモニュメントバレーと即答します(2019年3月時点)
なんというのでしょう。圧倒的な存在感。They imagine the American West (アメリカ西部を想起させる) とも言われますが、なぜか日本人の僕もノスタルジックな気持ちにさせられる何かがあるように思えます。
アメリカに赴任して2年足らずですが、すでに2回行きました。(2017年12月、2018年7月)冬も夏も、よかったです。
この絶景を紹介しなければならない!でも気持ちが入りすぎてどうまとめたらいいかわからない!とはいいつつ、今回まとめます。
モニュメントバレーについて少しご紹介すると、冒頭の有名な3つの巨大な岩(ビュートといいます)の写真が有名だと思います。しかしながらMonument Valley一帯にはビュートが数多くあり、見どころは複数あります。
有名な景色としてはThe View Hotelから見るいわゆる3つのビュート(ミトンビュートというそうです)と、映画Forest Gumpからその名がつけられたForest Gump Pointが有名でしょう。それ以外にもNavajo Road内にJon Ford PointやThree sistersなどの見所があります。
今回は2017年12月の旅行記として、ご紹介します。後編で2018年7月の旅行記をまとめたいと思います。
Episode
2017年冬、グランドサークル旅行を計画しました。グランドサークルとはユタ州とアリゾナ州にまたがる豊富な国立公園群を指します。
計画では、ラスベガスからホースシューベンド、アンテロープキャニオンを経由してモニュメントバレーへ。そのグランドキャニオンによって帰るという4泊5日の旅です。
モニュメントバレーから最寄りの町、カイエンタ(Kayenta) を過ぎるころから特有の赤茶けたビュートが増えてくるようになります。気持ちも高まりながらドライブ。途中右手に曲がって直進すると料金所があります(車一台$20)。ここはナバホの聖地であり国立公園ではないため国立公園の年パスが使えません。
突き当りのThe View Hotelからの景色がいきなりこれ。写真で見てきた景色のはずなのに、想像以上にすごいです。何がすごいんでしょうね?切り立った崖でもないし、道中似たような赤茶けたビュートは数多くあります。でも言葉を失わせるほどのすごさがこの景色にはあると思いました
The View Hotel 場所
駐車場からNavajoロードに入ると映画撮影に使われた景色が僕たちを待っていました。道は舗装されていないものの整備されており、SUVであれば個人でも問題なく入っていけると思います。
ミトンビュートから離れ来た道を戻り、東の方へ車を進める途中にForest Gump Pointはあります。遠くに見えるビュートから延びる真っすぐな道路がフォトジェニックです。この道はちょうど西向きなので、今日はここで夕日を見ることに決めました。
ビュートがシルエットになり、夕日が沈む様子は幻想的です。
車が通る道路ではありますが見通しがよくシャッターチャンスは十分あると思います。もちろん車が来るたびに逃げる必要がありますが。夕日を見た後は、その日宿泊するGoulding’s Lodgeで食事をして星を見に行く計画を立てました。
忘れもしないこの瞬間、The View Hotelに泊まっていたアメリカ人に”Are you taking a picture?”と話しかけられました。星を撮っていた僕が写真を見せると
本気の“Oh my God!!”を聞くことができました。
本気なので
Oh My God!!
くらいです。
本気の“Oh my God!!”ってあれですね。”おおぅまいがっ↑”みたいな感じなんですね。これから使っていきます。
実はThe View Hotelからの明かりが強すぎて(写真の手前が明るいのはそのせい)、星撮にはイマイチな環境なんです。ミトンビュートのバランスはすごくいいのにもったいない。。
ということで暗闇のNavajoロードに入って撮影することにしました。
ナバホルート星この日は風が強く、かつ気温が低かった影響もあるのか人生で最も星が見えた日でした。本当に手が届くのではないかと思うくらい。
この日は冬だったので典型的な夏の天の川は見えないのですが、冬の天の川も素晴らしい景色でした。この写真はForest Gump Pointに向かう途中の道端に車を止め、南に向かってシャッターを切っています。
人生最高の星空に大満足の僕たちですが、これだけコンディションが良ければ朝焼けもすごいはず。もちろんミトンビュートに行ってきました。
どうですかこれ。世界で最もきれいな朝焼けが見れる場所といっても過言じゃないですよ。このとき気温は氷点下。強風も相まって指先がちぎれるんじゃないかとも思いつつ夢中でシャッターを切ります。
12月はミトンビュートの右から日が出てきます。ミトンビュートはほぼ真東に向いているので天の川も朝日にも最高のロケーションです。
日がひとしきり上がったあと、Forrest Gump Pointで写真を収めてMonument Valleyを後にします。本当に大満足の景色でした。
Epilogue
詳しいまとめは後編が終わった時に書きたいと思いますが、今思い出してもこの時の景色は印象的です。
僕たちはグールディングスロッジに宿泊しました。とても趣のある良い宿ですが、絶景のアクセスでいえばThe View Hotelが上回ります。値段が高く、予約が大変ですが、もし予約できるならThe View Hotelをおすすめします。
ただいえることは、絶対に朝日を見てください!夕焼けよりも印象的だと思いますし、くれぐれも日帰りはなさらぬよう。
方角はミトンビュートが東向き、Forrest Gump Pointは西向きです。どんな写真が撮りたいかでロケーションを変えるといいでしょう。
広角レンズは24mmが必要です。15mmだとちょっと広角すぎるかもしれませんが、それでも迫力ある写真が撮れますよ!